チリ沖の大地震で津波発生も犠牲者が少なかった理由と「津波と普通の波の違い」が話題に!
16日午後7時54分(日本時間では17日午前7時54分)にチリ沖を震源とするマグニチュード8.3の大地震が発生した。
その後、その地震により発生した津波がチリ北部沿岸にあるコキンボ州を襲ったのだ。
大きいところでは、4.5メートルもの津波が押し寄せ、港の船や住宅を押し流したのだった。
今回の地震や津波による犠牲者は、18日の夜の時点で13人の死亡と6人の行方不明者が確認されている。
実は5年前にもチリではマグニチュード8.8という今回よりも大きな地震が起きていた。その際津波も起きたのだが、その時の犠牲者は約500人が命を落としている。
いろいろな状況にもよるのだが、犠牲者の人数が今回の13人と5年前の500人とで明らかに少なくなっているのだ。
その理由は、2度と失敗を繰り返さないという思いが生んだものだった。
5年前の大地震では、チリ当局が地震発生直後に混乱した情報を発信していたのだ。そのせいで、津波警報が解除された数時間後に大津波が沿岸部を襲い、大勢の人命が失われたのだった。
この教訓から、今回は地震発生から数分以内に海軍が全国に津波警報を発令したのだ。このことで、100万人が避難を素早く行えたため、犠牲者が最小限に抑えられたのだ。
他にもチリでは、素早く復興できるインフラ整備、早期警報システムの導入、建物の耐震化や防災教育にも力を入れていることに加え、避難訓練をたびたび行っていたことも実際の地震時にも活かされたのだろう。
日本も東日本大震災を経験していることもあり、東南海地震に備え、政府や関係当局にはチリのように迅速な対応や災害を最小限に防ぐ予防策を行っていってほしいですね。
今回の地震は地球の裏側で起きたのだが、日本も1メートルの津波が到達するということで津波注意報が発令されたのです。
こんな遠くで起きた地震の影響が、日本にまで届くのは驚きです。
そんな津波注意報で話題になったのが、津波と普通の波との違いです。
津波と普通の波の違い
多くの人は津波が1メートルと聞いて「大したことない」というかもしれませんが、この考えが危険だというのです。
そもそも、津波と普通の波とでは全然違うものだからです。
これは風で起きる波を再現しています。砕けた波は岸に到着する前に力が弱まります。
一方こちらは同じ高さの津波を再現したもの。波が砕けた後、勢いを増して岸に達しています。
普通の波は波の山が繰り返しているのに比べ、津波は同じ高さで続く水の塊が押し寄せてくるのです。
正面から見ると、津波と普通の波はほぼ同じ高さなので、ここではほとんど見わけがつきません。しかし、津波は背後に潜んだ大量の水が押し寄せ続けるので、少しの高さでも危険なのです。
また、実際に岸に達した津波が陸地に侵入してきた場合、低い物であっても1メートルを超えれば死亡する確率が高まります。
なので、1メートル以下の津波注意報だからと安心していると思わぬ災害に巻き込まれる危険があるので、十分注意しましょう。そして如何に地震発生後、津波が来るまでに避難できるかが重要なのです。