安部首相が新国立競技場の建設計画を白紙決定!この問題の責任は誰がとるのか?
安部首相は、総工費が2520億円まで膨れ上がり問題となっている、2020年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場の建設計画の見直しを正式に発表した。
現在の計画を白紙に戻し、ゼロベースで見直すのだという。このままだと、オリンピック招致が手放しで喜べなくなってきそうだ。
いったいなぜこんなことになってしまったのか?そもそも招致を検討する段階から無理があったのではと思ってしまう。
建築界のノーベル賞であるプリツカー賞を受賞している安藤忠雄氏が新国立競技場の国際コンペティションの審査委員長を務めていたことで責任を追及されているが、建築家はデザインと費用を勘案して決めているはず。
そうでなければ、今後の仕事にも影響が出ることであり、そんな無責任なことはないだろう。
どちらかといえば、今回のコンペで選ばれたザハ・ハディド氏の見積もり計画とそれを請け負うゼネコン、そして一番の責任者は、丸投げして後から高いと文句を言っている、文部科学省と日本スポーツ振興センター(JSC)だろう。
それは、経緯を見ればわかる。
もともと2016年夏季オリンピックの東京誘致活動では、メインの競技場を晴海埠頭に建設する予定で設計も安藤忠雄氏に決まっていた。しかし、招致失敗に終わったことで白紙となっていた。
その後、2011年に改めて立候補した2020年夏季オリンピックの東京誘致活動では、『既存施設の活用』をテーマに、メイン会場を国立競技場とすることを計画したのだった。 しかし、1億円費やし回収調査した結果は、結局既存部分は使わず全面建て替え工事というものだった。
そして国際コンペへと進むわけだが、その時の条件も建築家にとってはきついものだったと安藤氏も言っている。
1300億円の予算、神宮外苑の敷地内、8万人収容規模で可動屋根も付けるものだった。しかも、オリンピック招致ファイルに間に合わせるため準備期間が短かった。
これらのことを考えると、既存施設の活用などとできないことを決めたことが、後々進むにつれて無理が出てきたのだと思う。
ちなみに、これまでのオリンピック開催地のスタジアム費用はこちら・・・
- 2000年シドニー・・・約572億円
- 2004年アテネ ・・・約360億円
- 2008年北京 ・・・約525億円
- 2012年ロンドン・・・約583億円
- 2016年リオ ・・・約440億円
国が違うため一概には言えないが、他の国のスタジアム総工費はせいぜい500億円前後なのに対して、お金をかけず既存の施設を活用すると言っていた日本の予算がなぜ1300億円にもなっているのか?
基本の予算がもっと低くしていれば、それなりのものを設計していたであろし、例え予算よりも高騰したとしても1300億にも満たなかっただろう。
そして、既存の場所ではなく、2016年夏季オリンピック時の候補だった晴海埠頭で安藤忠雄氏が設計していたら急いで改修調査や改修にかかる費用も抑えられたのにね。
もし、今予算の半分650億円程度で組んでいたら後の650億円でいろんなことができたであろうに・・・