「i-rage Investment」のような「ねずみ講」に騙されないために必要なことは?
株式会社i-rage Investmentという会社が、京都や大阪の大学生を中心に「ねずみ講」を行ったとして集団訴訟を起こされた。
この会社は、インターネットを使って販促システムを売ると装って学生を勧誘し、販促システムの購入名目で1口756,000円の代理店契約を結ばせていたようだ。
そして、代理店契約した人間は3人を勧誘するとランクアップして報酬が増えるというもので、契約時の代金を支払えない人には消費者金融で借りさせるようなこともあったとか。
しかし、肝心の販促システムに実体はなく、これが「違法なねずみ講」にあたるとして12名の学生が集団で1千万円の損害賠償を提訴したのだ。
それを受けてか、会社ホームページはすでに閉鎖されている。
ホームページ閉鎖のお知らせ - 株式会社i-rage Investment - 株式会社i-rage Investment
昨今、多くのマルチレベルマーケティング(MLM)は存在しているが、未だに「ねずみ講」で捕まらずに儲けられると思って会社を作っている人間がいることに驚かされる。
まぁ、「ねずみ講」に騙される人たちがいることにも驚きだが・・・
では、なぜ「MLM」は違法でなくて、「ねずみ講」は違法となるのか?
その差は、特定商取引法による「連鎖販売取引」にあたるかどうかということ。
- 物品の販売(または役務の提供等)の事業であって
- 再販売、受託販売もしくは販売のあっせんをする者を
- 特定利益(紹介料や販売マージン、ボーナス等)が得られると誘引し
- 特定負担(入会金、商品購入費、研修費等の名目で、何らかの金銭的な負担)を伴う取引をすること
上記が「連鎖販売取引」の定義であり、これ自体は違法ではありません。
これを逸脱した取引を行うと違法になるということ。
違法になる禁止行為や義務は以下の通り。
- 氏名等の明示義務
- 不実の告知・事実の不告知の禁止
- 威迫・困惑行為の禁止
- 公衆の出入りしない場所での勧誘の禁止
- 広告の表示義務
- 虚偽広告・誇大広告の禁止
- 受信拒否者への再送信の禁止
- 書面交付義務
- 債務の履行拒否
- 不当遅延の禁止
- 断定的判断を提供した勧誘の禁止
- 迷惑を覚えさせる勧誘の禁止
- 迷惑を覚えさせる解除妨害の禁止
- 不実告知・事実不告知の教唆
- 威迫・困惑の教唆
- 書面交付義務違反の教唆
- 判断力不十分に乗じた契約の禁止
- 適合性の原則違反
- 契約書類に虚偽を記載させる行為の禁止
これらに違法性が見られた場合は、「ねずみ講(無限連鎖講)」にあたるということ。
今回は、商品実態がない上に、価格が高額であり、無限に広がる要素があったことでしょう。
とにかく騙されないためにも、これらの禁止事項は覚えておくこと、商品や会社をしっかりと確認するまでは即契約を結ぶばないことが重要ですね!