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マネタリーベースが300兆円を突破!出口戦略なき日本に未来はない!

日銀は先日、マネタリーベースを公表し、305兆8771億円と9ヵ月連続で過去最高を更新し、初めて300兆円の大台を突破したとのこと。

 

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そもそも、マネタリーベースとはどういうものなのか?

 

 

マネタリーベースとは?

マネタリーベースとは、日銀が供給する通貨のことで、世間に出回っている銀行券と硬貨を合わせた現金と金融機関が預金の払い戻しに対応するため、日銀に預けている「当座預金」の残高の合計のことで、資金供給量ともいいます。

 

日銀はこのマネタリーベースの当座預金の残高の部分を直接増やしたり減らしたりすることができます。

 

これを利用して、日本が不景気のときには金融機関の持っている国債を日銀が買い上げて、資金供給量を増やし経済を活性化させようとします。

 

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反対に景気が過熱しているときは日銀が持っている国債を金融機関に売り払って資金を吸い上げて、資金供給量を減らします。このことで過度のインフレやバブルの発生を未然に防ぎ、景気を安定させるのです。

 

現在は、不景気の中であり、デフレ状態が続いているため、資金供給量を増やして景気を刺激している状態というわけですね。

 

現状の日銀の金融政策では、マネタリーベースの年間増加額を80兆円にまで拡大している。

 

これほどまで資金供給量を毎年、増加させているわけだが、単に当座預金の残高を増やしているだけでは、景気を刺激することはできません。

 

金融機関の当座預金の残高は、同時に企業への貸出し原資となっているため、金融機関はその資金を企業へ貸し付けを行って、世の中に資金が循環していかなければ意味がないのです。

 

ただ、全国116行の貸出金残高は2月末時点で、42カ月連続で増加しているようです。大企業向けの運転資金や買収資金の融資が増えているためだそうです。

 

良い傾向ではあるが、今後も継続して貸出しを増やしていかなければマネタリーベースを増加させている意味がない。

 

マネタリーベースの拡大は諸刃の剣

景気回復のためにはこのように金融緩和は必要となるのだが、本当に重要なのはその先の出口戦略だ。

 

黒田総裁の使命は、2%の物価目標だから、それまでは絶対に追加緩和が継続される。

 

では、このまま国債を買い続けるとどうなるか?

 

三菱東京UFJ銀行の試算によると、このままいくと2017年度末には日銀の国債保有割合が52%となって大半を日銀が占めることになるとのこと。

 

ちなみに、米FRBの国債保有割合は21%程度であり、現在は利上げ時期を模索している状態。

 

それを考えると、日銀の国債保有率がいかに抜きん出ているかがわかる。

 

みなさんご承知の通り、日本の一般政府債務は1100兆円を超えています。本来であれば、財政悪化による信用不安で金利が上昇してもおかしくない。

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しかし、現状は日銀の政策による官製相場で無理やり低金利となっているのです。

 

米FRBの国債保有率21%であっても、出口戦略を示すことに非常に慎重になっているのが現状です。

 

仮に、日銀が物価目標を達成し、金融緩和を縮小していく流れになった場合、長期金利が反動で大きく上昇する可能性が出てくる。

 

そうなれば、国債の利子負担が膨らむばかりか、国債の売り先がなくなり、財政破たんも現実味を帯びてきます。

 

そればかりか、銀行から借りていたお金の利息も上昇するため、企業や個人の倒産や破産が増える可能性もでてくる。

 

こうならないためにも、早期に財政健全化への道筋を示し、出口戦略も同時に行っていかなければいけないのです。

 

しかも、安部首相と黒田総裁の任期が切れる「2018年問題」という課題もある。

 

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2人の任期中に出口を見出さないと、辞めたと同時に金利が上昇する危険性があるためだ。

 

日本の未来は、2018年までに決まるといっても過言ではないのです。オリンピック景気があるうちに道筋を建ててもらいたいものだ。